2-13. 近づく距離と不穏な周囲

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「姫。本日も美しい肌をしている」 「資さま、あの、朝からそのように見つめるものではありません」 「良いではないか。どうせ夜もじっくり堪能しているのだから」 「そ、それでも恥ずかしいのです。毎朝太陽の明かりの下でわたしの裸を眺めるなんて……」 「つまり、感じているのだな」 「もう……早く、着替えを渡してください!」  資に「次は愛撫の練習ですよ」と諭して以来、音寧は彼に着替えを手伝ってもらうようになっていた。朝起きたら挨拶の接吻とともに夜着を脱がされ、彼が選んだ浴衣や服を着せられその姿で一日を過ごし、夕食後の入浴の際に着衣をすべて脱がされた後、お風呂上がりに夜着を着せてもらうのだが……ここ数日は寝台の上で濃厚な口づけとともに裸のまま愛撫の練習をさせられている。  資は音寧に乞われるがまま、彼女が気持ちよくなれる場所を丹念に探り、ひとつひとつ敏感な部分を攻略していった。  口づけの練習の成果との相乗効果もあり、十日経ったいまでは資の指で音寧は軽く達することができるまでになっている。  昨晩の愛撫の練習を思い出して顔を真っ赤にする音寧を見て、資は嬉しそうに笑う。
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