2-13. 近づく距離と不穏な周囲

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「ようやく俺の手でよく啼いてくれるようになったな」 「……服を」 「その前に、昨晩のおさらいをさせておくれ。愛する姫よ」 「きゃあっ」  寝起きでぼうっとしていた音寧の前で手際よく夜着を脱がせて裸にした資は、窓を覆っていた緞帳を一息に開き、太陽のひかりを部屋のなかに招き入れ、一糸まとわぬ姿の音寧を照らして彼女を覚醒させた。そのまま着替えるのかと思えば、裸の彼女に欲情したのか、資はふたたび音寧を寝台へ横たえる始末。  音寧が抵抗しようにも、彼に伸し掛かられ、身動きできる状態にない。いまはまだ身体を繋げていないけれど、この調子なら彼の分身を受け入れるのも時間の問題だろう。早く一つになりたいという想いはあれど、未来の有弦のことを考えるとこのままなし崩し的に彼に寝取られてもいいのだろうかという一抹の不安も残っている。  そんな顔をしていたからか、ちゅっと口づけられ、資に首を傾げられてしまう。 「……あ」 「何を考えているんだい? 貴女は気持ちよくなることで異能を使えるようになるのだろう? ならば朝だろうが夜だろうが別に構わないではないか」 「で、でも」
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