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抱きしめられて耳朶を噛まれて。音寧が悲鳴をあげれば、彼は頤に手をかけ嬉しそうに口づけをする。
立ち尽くした状態の音寧を抱きしめたまま、練習のときよりも情熱的な彼の接吻に襲われて、身体が朝の名残を求めるかのように疼きだす。
「ぁ……んっ、どう、して?」
「貴女を清めなくては」
それだけ言って、資は音寧の唇を貪りながら、両手で彼女の身体の線を辿っていく。
杏色のワンピース越しに、彼の手が音寧の乳房を探し出す。両手で包み込むようにふれられ、身体が熱を孕んでいく。
「清め……る?」
「魔の気配を感じた……きっと貴女のなかの淫魔が、媚薬という言葉に反応したんだ……」
「そんな」
音寧は信じられないと資を見つめるが、彼は愛撫の手を止めない。
何度も繰り返される口づけと服越しの胸への愛撫で音寧の腰は砕けそうになっている。立っていられないと彼に身体を擡げれば、彼女がそうなるのを待っていたかのようにひょいと抱き上げ、寝台の上へと導いていく。
「いまから禊を行おう。今度こそ、尻尾を見せた淫魔を払ってやるから……」
資に熱い視線を向けられ、音寧は困惑する。
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