2-13. 近づく距離と不穏な周囲

14/14
前へ
/608ページ
次へ
 自分のなかに淫魔なんか存在しないはずなのに、魔の気配がしたってどういうこと……?  軍服のポケットから白い払魔の手袋を取り出し装着した資は、寝台の上で不安そうにしている音寧の前で心配ないと微笑む。 「この媚薬をふたりで飲んで、淫魔が与える快楽を上書させてみようではないか」  そして資はさきほど入手したばかりの小瓶の封を開け、自分の口に含んでから。  音寧へと口移しで飲ませるのだった。
/608ページ

最初のコメントを投稿しよう!

255人が本棚に入れています
本棚に追加