2-13. 近づく距離と不穏な周囲
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自分のなかに淫魔なんか存在しないはずなのに、魔の気配がしたってどういうこと……? 軍服のポケットから白い払魔の手袋を取り出し装着した資は、寝台の上で不安そうにしている音寧の前で心配ないと微笑む。 「この媚薬をふたりで飲んで、淫魔が与える快楽を上書させてみようではないか」 そして資はさきほど入手したばかりの小瓶の封を開け、自分の口に含んでから。 音寧へと口移しで飲ませるのだった。
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