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白い手袋越しに裸体が翻弄させられる。前回は浴室に連れ込まれて何がなんだかわからないうちに身体を暴かれてしまったが、今回の禊は寝台の上で行うのだろうか。
青みがかった黒い瞳を潤ませながら、音寧は不安と期待に満ちた眼差しで資を見つめてしまう。
「あとで浴室の用意をする。いまは淫魔が隠れないようこの場で貴女を快楽で繋ぎたい」
「……はっ、はい」
まるで音寧の考えを読んだかのように資に告げられ、下腹部がきゅんと疼く。
寝台の上で達せられた後に、浴室で身体を清めるということか。たしかに前回は寝台の上で自慰を行って絶頂を迎えている。資はあのときのことをなぞろうとしているのだろう。違うのは、音寧が自慰をせず、はじめから資の手で身体をひらかれているということ。そして、淫の気を魔力として吸い取るトキワタリの鏡がこの場にないということ。
――それなのに、魔の気配がするって、どういうこと?
音寧が淫魔に魅入られていないのは本人が知っている。ただ、岩波山の呪いが魔にまつわるものだとしたら、五代目有弦と幾度も身体を繋げている音寧の内側に魔物が潜んでいる可能性も否めない。
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