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濡れた身体をざっと拭かれ、裸のまま寝台に転がされる。応えない音寧にしびれを切らしたのか、資もまた、素っ裸で彼女の身体にのしかかり、啄むような口づけを仕掛けていく。唇を避けるように、額と瞼、頬と首筋、乳房とお臍、太ももと足の指……口づけられた場所が、発火するように熱を帯びはじめ、戸惑うように音寧が声をあげる。このまま彼と身体を繋げて、精液を身体に蓄積すればいいと、あたまのなかでは理解しているものの、まだ未来の有弦と紐づける決定的な何かが足りなくて、心の準備が追いつかない。けれども身体は与えられる快楽に溺れたそうに、彼の愛撫に反応している。なかに彼を受け入れたいからか、内側からとろりとしたものが溢れ、敷布をあかく濡らす。
「あぁ……はぁ……」
「これを、貴女のなかに突き立てたい……俺を受け入れ……だめだっ!」
資がおもむろに勃起した分身を手に取り、音寧の蜜口を貫こうとしたそのとき。
彼の豹変に、音寧は首を傾げる。
「…………え?」
そして、自分の身体の異変に気づく。
愛液だと思っていたとろりとした液体から、鉄のような匂いがする。
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