1-07. 破魔のちからと形見の鏡

6/11

248人が本棚に入れています
本棚に追加
/608ページ
 けれど音寧は安心もしたのだ。これでもう、自分は「時を味方につける」不思議なちからを持つ時宮の姫君と呼ばれることもない、破魔のちからを持つ特別な時宮の姫君は綾音だけだから、と。  だというのに――破魔のちからを持っていた綾音が死に、音寧が時宮の姫君として岩波有弦に求められてしまった。  そのうえ、あのときの不思議な鏡も、巡り巡って、いま、音寧の手元にある。綾音の形見として受け取ったその鏡にどのようないわくがついていたのかも、わからないまま――……
/608ページ

最初のコメントを投稿しよう!

248人が本棚に入れています
本棚に追加