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繊細なレエスがあしらわれた月白の色をした夜着はとても薄く、音寧の身体を包むというより飾る、という表現の方が正しいくらい、肌を隠す面積が狭い。辛うじて胸元にお椀のような支えがついてはいるものの、すこし動いただけで乳房がこぼれだしてしまいそうで、落ち着かない。
下半身の方も似たような状態で、下肢を隠してはいるものの、下着をつけない仕様なので茂みの部分に直接刺繍の部分があたってしまう。これでは足を開いたら秘処が丸見えだ。
「この部屋に姿見がないのが惜しいな。そうだ、貴女が持っているあの鏡を使おう。いいよね」
「あ、はい」
思わず頷いてしまったが、音寧が綾音の形見として受け取った鏡を有弦が使って、何かおかしなことが起こったらどうしようと今になって気づく。けれども時すでに遅し。
「ほら、かわいいだろう? 西洋のお姫様みたいで」
「……これが、わたし?」
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