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鏡の向こうで胸を揉みしだかれているのは自分のはずなのに、なぜだか別人のように見えてしまうのは、顔ではなく身体だけが鏡に映し出されているからだろう。当然、有弦の顔も見えない。まるで見知らぬ男の手に胸を弄られているかのような錯覚に陥り、音寧は身体を震わせる。
「この鏡、綾音嬢が持っていたものだろう?」
「ッ……そ、それが?」
「なんだか俺たちの行為を見られているみたいだと思わないか……?」
「そ、そんな……ぁあ、有弦さまの意地悪っ」
「ふふ、そろそろ下の部分もさわってみようか。ほら、レエスに貴女のいやらしい蜜が」
「言わないでぇ……ァあ、あんっ……!」
夜着のレエスをかき分けて、下肢の付け根に手を伸ばした有弦は、つぅ、と指の腹で音寧の繊細な部分をなぞりながら、勝ち誇った表情で告げる。
「鏡の向こうで姉君に見られていると思って、感じているね? いけないこだ」
「あー……っ、ゃあ……!」
勢いよく花芽を潰されて、音寧は悲鳴をあげる。姉に見られているだなんて考えたこともないのに、鏡にいやらしい姿を映されているからだろうか、興奮している有弦に指先だけで翻弄させられてしまう。
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