1-01. 憂いの初夜

6/8
前へ
/608ページ
次へ
 時宮の姫君――有弦が口にしたその言葉に、音寧は絶望する。  絶望しながらも、彼の手のなかに、堕ちてゆく。  ――わたし、は、あやねえさまじゃないのに……  絶叫は、破瓜の痛みを凌駕して、音寧の心の奥底に、おおきく消えない傷痕をのこす。
/608ページ

最初のコメントを投稿しよう!

248人が本棚に入れています
本棚に追加