1-01. 憂いの初夜

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 ――岩波山の掟など、莫迦にしていたが。この窮地を救うためには利にかなったことなのかもしれないな。俺にはもう、貴女しかいないのだから……  諦めて、今ここにいる有弦(おれ)を愛して欲しい。  美しくも謎めいた時宮の姫君に心奪われた身代わりの花婿は、これからの結婚生活に想いを寄せて、不気味なほどに妖しく微笑むのであった。
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