1人が本棚に入れています
本棚に追加
数日後、悟のスマホに見覚えのない番号から着信が入った。
ちょうど昼休みだったので、誰だろう?と思いながらも出てみた。
『阿辺悟さんの携帯でお間違いないですか? 少々確認したいことがございまして……』
例の交番の警察官からだった。
ただでさえ、あの少年がどうなったか気になっていた悟は、さらに交番からの電話に気もそぞろに午後の仕事を終えた。
「仕事が終わってからで良い」という言葉に甘え、退勤後、交番へ向かった。
交番には、若い警察官が座っていた。
「すみません、お電話いただいた阿辺ですが……」
そう告げると若い警察官は奥の方へ声をかけた。
すると、先日の年配の警察官が私服姿で出てきた。
「あれ……?」
その姿に思わず悟は声を出してしまった。
「勤務時間は過ぎているので着替えてしまったんですが、大丈夫ですよ。……面白い話ではないので、狭いですが奥へどうぞ」
警察官に促され、悟は「すみません……」と言いながら、奥へと入って行った。
そこは、休憩スペースのようだった。
最初のコメントを投稿しよう!