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「すみません、尋問しているつもりではないんですよ。上がうるさくて、必要な確認だったんです。気を悪くされたらすみません」
「あ……いえ、大丈夫です。あんな突拍子もない通報をして、何も疑われないというのもよく考えたらおかしい話ですからね」
本当に、今日、この警察官から連絡が来るまで、悟には警察関係者から何の接触もなかったのだ。
「ありがとうございます。これでこちらの確認は以上なのですが……」
警察官が言いよどむ。このまま帰されると思った悟は、ダメ元で問いかけてみた。
「結局、どうなったんでしょうか?」
そう、ずっと気になっていたのだ。通報者なのだから、ある程度聞かせてもらってもいいのではないだろうか。悟はそう思っていた。
「……聞きたいですか? 聞かない方がいいかもしれませんよ?」
「……彼が無事なのかだけでも」
含みを持たせた言い方に、悟はさすがに譲歩した。
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