メッセージ

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メッセージ

そんな出来事も忘れかけていた、約1か月後。総務から有休消化を急かされた悟は、再び午後の半休をとった。 何の映画を観ようかと考えながら歩いていると、再びあの横道に差し掛かった。 街灯もろくについていないようで、普段の終業時間後に通りかかっても気に留めるほどの存在感がないのだ。 だから、あの日以来、悟がその道を通ることはなかった。 しかし、普段と違うその日は、またなんとなく気になってしまった。 悟は再びその道に足を踏み入れた。 また周りを見回しながら、ゆっくり歩く。 すっかり涼しくなったが、ここはさらに気温が低く感じられる。 そして、またあの廃ビルに差し掛かった。 確かこの辺だったな……。 忘れかけていたひと月前のことを思い出しながら、ゆっくり上を見上げた。 すると、また紙切れがひらひらと落ちてくるではないか。 「は……?」 それはまた、立ち止まった悟の足元に落ちてきた。 ゆっくりと拾い上げる。 よれよれのクシャクシャだが、やはり紙ひこうきだった。
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