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すると、鳥仮面の仙人が少女に問い掛けた。
「一面全て見渡す限り闇、闇、だけど、そんな闇の向こう側に何があるか知っているかい?」
突然の問いに少女は戸惑いながらも考えたが、それらしい答えは全く浮かばなかった。
「全然分からないよ。って言うより、考えたこともなかった」
「だろうね」
鳥仮面の仙人はどこか勝ち誇った口調で言った。
「じゃあおじさんには分かるの?」
「そりゃあ勿論。あの中には嘗て存在した世界が眠っている。言ってしまえば、今は世界が終っている状態なのさ」
「世界が終っている、ねえ。どうして終わったの?」
「ある日の夜、突然空から虹色に光り輝く果実が落ちてきたからさ」
意味の分からない答えに少女は思わず溜息を漏らした。
思わず鳥仮面の仙人は苦笑いを零した。
「まあこんなことを突然言ったって理解に苦しむよなぁ。それじゃあ順序立てて話そうかね」
ここから鳥仮面の仙人による――虹色に光り輝く果実についての神話講談に入る。
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