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 次の日は朝からホームルームで、委員などをクラスで決めることになった。学級委員は案の定誰もやりたがらなかったので、くじ引きで否応なく選ばれた二人が渋々という感じで黒板の前に立つ。  何か決める時に、必ずと言っていいほど、クラスをとりまとめなくてはならないのが学級委員だ。私は学級委員の外れくじを引かなかったことに内心ほっとしていた。  私の席は窓際の一番前の席だ。名簿順だと大体、私はこの席になるから予想通り。香奈とは席が離れている。一番前の席はチョークの粉が飛んできて、机が粉まみれになるし、威勢のいい先生だとつばも豪快に飛んでくる。でも、廊下側の一番前の席より全然ましだし、学級委員に選ばれるよりもはるかにいい。    学級委員以外の委員も正直なりたい人はあまりいないんじゃないかなと思う。でも、結局皆どこかの委員会に所属するようにはなるので、適当に手をあげておかないと、自分がやりたくない委員をやる羽目になる。私はどの委員会に入るか頭を悩ませていた。  香奈と事前に一緒の委員をやれるように示し合わせておけばよかった。でも希望者の多い委員会はじゃんけんで委員が決まるから示し合わせてもうまくいかない場合もある。
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