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最悪だ。
せっかくの入学式、身だしなみくらいはきちんと整えて学校に向かいたかったのに。
もうグループだって出来てしまっているかもしれない。
そんなことを考えながら私の気持ちはなおも急いた。
はあ、はあ、はあ。
たかだか歩いて二十分の距離なのに、私の息は切れていた。
そんな時だった。
「おはよう!」
背後から声をかけられたのは。
いきなりの聞き覚えのない声にびくっと肩を震わせた私は走る速度をゆるめ、おそるおそる後ろを振り返った。すると見知らぬ男の子が笑顔で立っていた。
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