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 誰? そう思う気持ちが自然と顔に出てしまっていたのか、 「汐見中学の子でしょ? 俺、笠井圭吾。よろしく」  はきはきした口調で男の子は自己紹介した。  「あっ、そうです。よろしくお願いします」  少しパニック状態になりながらも足を止めて、私は丁寧にお辞儀をした。 「もしかして中一?」 「そうです」 「じゃあ一緒だ! 一緒なんだから敬語使わなくていいじゃん。俺なんか最初から普通に話しかけちゃったし。入学式の日に遅刻なんて俺だけかと思ってたのに、目の前に一生懸命走ってる子がいるんだもん。親近感わいて思わず話しかけちゃったよ」  笠井くんは大きく口を開けて笑った。  笑った時に白い歯がのぞいて、私の心臓が音を立てた。遅刻しそうであせっていたからかなと思ったけど、どうやらそれだけじゃないみたいだった。  それから二人で仲良く学校までの道のりを走り、なんとか時間内に着いた。
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