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僕が謎の手のひらサイズのカプセルを宇宙船の残骸だと考えていると、桃井が何かに気付き、僕に声をかける。
「先生、あれ……」
桃井が促した先を僕が目にするととても小さなハムスターくらいの大きさの生物がいた。
おそらくあれは宇宙人だ、なるほどな隕石が落ちたと僕は思っていたし、他の人間もそう考えてもおかしくなく、あのカプセルやこの生物に気付かなかったのも無理はなかったんだな。
「先生、あれを捕まえたら俺達有名人ですよ、どうしますか?」
確かにあの生物を捕まえ、国の研究機関に引き渡せば一気に天文部の名はあがり、いやそれどころの話ではない。
だが、単に地球に不時着した生物を僕達の勝手で捕まえていいのか?
「言葉が分かるかどうか分からないが、僕達と君は仲良くなれないか?」
「キュピ⁉」
「この宇宙船は残念だが僕達では直せない、だけどなにか代用できるものがあったら、ここに持ってきて君と一緒に直したいと思う。いつになるか分からないが、僕達を信じてくれないか?」
「……キュピ!アリガトウゴザイマス、ボクハトオイウチュウカラキマシタ、ダイヨウザイリョウヲモッテキテクレレバジブンデナオセマス」
テレパシーのようなものだが、彼と言っていいかどうか分からないが、こちらの言いたい事は伝わったようだ。
そう言うとあの生物は再び姿を消した。あの小ささなら簡単に見つからないだろうし、見つかってもまさか宇宙人だとは思わないだろう。
宇宙船の残骸は僕が持ったままだがこれを参考に代用品になりそうな材料を持ってきてほしいという事なんだろうか。
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