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今、世界は揺れている。
1年後に、巨大隕石が地球に衝突するらしい。天文学者による精密でよくわからない計算によると、98.7%の確率だと言う。
「んなアホな」
当初、全世界の人はそう思っていた。もちろん、俺もそうだった。この類の話はよくある。1999年の地球滅亡もそうだったし。結局は取り越し苦労で終わるのが、積の山だ。
しかし、連日ワイドショーで流れる専門家の説明を耳にしていると、庶民の心は徐々に揺らいでいった。
専門家は、この隕石衝突の確率がどれほど緻密に計算されたものか、そして隕石大きさ、その威力の絶大さを、言葉巧みに話した。
毎日のように特番が組まれ、隕石を回避する方法や人類が助かる術を話していたが、決定的な解決策は見つからなかった。
テレビ、ラジオ、インターネット。あらゆる情報機器から隕石衝突が不可避であること、地球は滅亡の危機であることが流される内に、全世界の人々はにわかに騒ぎ始めたのである。
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