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そんな中、ある研究者が発表した1つの案が、注目を浴びた。
水素爆弾。全世界の技術を総動員して、今までにない世界最強の水素爆弾を開発し、隕石を粉々にしてしまおうと言うのだ。被害は0ではないだろうが、まともな衝突は避けられる。
威力、方法、精度。研究者の計算の結果、その案は、最も現実味を帯びた提案だった。
しかし扱うのは、これまで人類が創ったことのない爆弾。自動制御は困難だった。そこで、人類のために命を捧げる勇敢な勇者を募ることにしたのだ。
水面下では、老い先短い人々や犯罪者に矛先を向けようとしたらしいが、人類皆平等の精神から、一様に志願者を募ることになった。
志願者には、出発までの暮らしと安全を保障すること、宇宙へと飛び立つため、それ相応の訓練を受けてもらう旨が記されていた。当然、身体が屈強であり、かつある程度の知識が求められた。
祖母が亡くなり、両親は既に他界して、これからの生きる目的をいま一つ定められないでいた独身の俺に飛び込んできた話。勘違い甚だしいが、運命を感じた。
その広告を写メして、自宅へと戻った俺は、志願者募集のサイトにアクセスしていた。
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