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二人だけの時間※
結局僕たちは息もつかせぬ口づけを交わしあって、王都の宿泊施設の前で馬車から転がる様に降りた。自分が赤い顔をしているのは自覚があったので、僕は俯いてウィルに肩を抱かれながら部屋までたどり着いた。
部屋の扉が開くのを待つのももどかしい僕たちは、扉が開くと同時にウィルに壁に磔にされて、口内を舐め啜られて、同時にお互いの服を剥ぎ取っていった。
目の前の愛しいウィルの体温を感じたい、ただそれだけが僕の願いだった。ひとりぼっちで連行されてからも、もう一度ウィルとこんな時が過ごせることを願っていたからこそ、耐えられたんだ。
「ウィル、ウィル…。僕、頑張ったよ…。」
ウィルは涙にくれた僕の顔を両手で包んで額を押し付けると、甘く囁いた。
「…私もハルが絶対解放されるって信じてた。私はハルのことを…信じてる。愛してるから、ハルの全てを。」
そう強い眼差しで見つめられて、僕は何だかますます泣けてきて、交わし合う口づけさえしょっぱさを感じたんだ。僕たちは素っ裸になるとサッと浴室で冷たいシャワーを浴びると、ベッドへと転がり込んだ。
シャワーで綺麗に流された僕の涙はすっかり乾いて、反対に僕の身体はウィルが欲しくてズキズキと痛い程だった。
僕を崇めるように愛撫するウィルの唇や舌、硬い指先が、僕を甘い渦へと放り込んだ。喘ぐ息が熱くて、胸は直ぐに固く尖った。
「可愛い…。ハルのここ、真っ赤になって、私に可愛がられて疼いてるね。」
そう言って吸い上げるから、僕は胸を反らして喘ぐことしか出来ない。僕の硬くなった昂りが、ウィルの逞しいそれと触れると、僕は追いかけるように腰を突き出して、揺らしてしまった。
「はぁ、ハルがえっちだ。もう、目の毒だよ…。」
そう言って僕に覆いかぶさって僕の片脚を腕に掲げると、ヌチヌチと僕の待てない窄みへ押し付けた。シャワーですっかり準備されたそこは、ウィルの先端を呑み込もうとパクつくけれど、しばらく僕の指しか入れていないそこはすっかり狭くなってしまっていた。
「ウィル、きて。ゆっくり僕をこじ開けて…。」
僕の誘いにウィルはごくりと喉を動かすと、ベッド側に置いてあったジェルのようなものをたっぷり自分の昂りに塗りつけると、僕に口づけながらゆっくりと押し入ってきた。
「んっ、あ、ああっ、んんっ!あ、あああっ!」
突き上げるような鋭い快感に、僕はぎゅっとウィルにしがみついた。ああ、ここにウィルが、本物のウィルが居るんだ。僕を愛してくれる、僕の愛するウィルが。
動きを止めたウィルは、額に汗を滲ませて僕に優しく口づけると言った。
「ハルをとことん味わわせて?」
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