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ベッドの時間※
僕は呻きながら、しかしのぼせそうだった。
「…ウィル、僕暑すぎて…。のぼせて倒れそう…。」
そう言って肩に額を乗せると、ウィルは慌てた様に僕を湯船から引き起こしてくれた。部屋に戻って、冷たい飲み物を飲ませてもらうと、ようやく人心地着いた。
「ふう、暑かった。最近ずっと水浴びしかしてなかったから、お湯あたりしちゃったみたい。」
そう言うと、ウィルはクスッと笑って今度馬丁にお湯も使ってもらおうかって僕を揶揄った。僕は口を尖らせてウィルからスルリと逃げ出すと、ベッドの隅に転がってそっぽを向いた。
「意地悪な事言ったから、もう寝るからね。」
僕がそう言って様子を伺うと、ウィルは慌てた様にベッドを軋ませながら僕の側に這ってきて、僕をそっと抱きしめた。
「ごめん。ハルが直ぐ側に居るから嬉しくて浮かれちゃったんだ。私はハルが可愛い過ぎて、つい意地悪したくなる。子供っぽいことして悪かった。
もう私のこと嫌いになった?」
僕はクルリと向きを変えてウィルに向かい合うと、クスッと笑って言った。
「ちょっとなら意地悪もされたい…。僕がウィルのこと嫌いにならないの分かってるくせに。」
ウィルはそんな僕をじっと見つめて優しく口づけてきた。甘い口づけに蕩けさせられる頃には、僕の中に入ったウィルの逞しいそれに貫かれていた。
浅く執拗に擦り上げられて、その鋭い気持ち良さに僕は仰け反って口づけどころじゃなかった。自分でも甘ったるい声だと思うのに、喉から出るのはそんな強請る様な喘ぎ声で…。
グッと深くウィルが抉ってきて、僕は身体を強張らせた。
「あああっ!ダメ、ウィル、直ぐ逝っちゃうからっ、あ、あんっ、ぅんんっ、あっ、あっ⁉︎」
ウィルが奥まで激しく突くと、目の前に星が飛んだみたいになって、僕はそこからはずっと降りて来られない快感に引き絞られて、ウィルを貪った。
ウィルの苦しげな荒い息と、大きな呻き声がそれから短くない間続いて、お腹の中が熱くなった。僕はウィルを受け止めたのに気づいて、震えるウィルの身体をぎゅっと抱きしめた。
「…ウィル?」
僕にくっついたまま隣に倒れたウィルが動かなくなって、僕はウィルの美しい顔に指を這わせて声を掛けた。気づけばウィルは寝息を立てていて、僕はクスッと笑った。
きっと、色々心配して寝不足だったんだな。ウィルのそれがズルっと抜けるのを感じて、僕はベッドから降り立つとシャワーを浴びに行った。
やっぱり石鹸で身体を洗うのは気持ち良い。僕は人間生活の一番の楽しみは入浴かもしれないなって思った。
すっかり深い眠りに落ちていたウィルを見下ろしながら、僕は口元がニヤけるのが止められなかった。目の前のウィルはカッコ良すぎた。はぁ、大好き。
僕はベッドを揺らさない様に気をつけながら、いそいそとウィルの側にくっつくと、馬鹿みたいに幸せな気持ちのまま目を閉じたんだ。
おやすみウィル。良い夢を。
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