大人

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俺は一軍では無いが、稔と同じユニフォームに袖を通した。 随分時間がかかっちまったな。 久し振りに会ったあいつは、俺を見て目を丸くした。 「どうだ、驚いたか!?」 俺は踏ん反り返って言ってやった。 「ぎゃふんと言いたくなっただろ。」 あいつはふっと気の抜けたように笑うと 「やっと負け犬の遠吠えが吠えれる場所まで来たんじゃない?」 そう言った。 俺はニカっと笑った。 「絶対いつかぎゃふんと言わせてやるからな!」 俺はあの時の言葉を、もう一度笑いながら言い放った。 あいつは笑って 「あぁ、生きてるうちに頼むよ。」 と返した。 俺は絶対あいつをぎゃふんと言わせてみせる。 (ぎゃふん) 何かが聞こえた様な気がした… 気のせいか? 振り返ると あいつが笑っていた。 〜終〜
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