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不正アクセス
ダンがこのAWに来て一年が経とうとしていた。技術者であるダンのおかげで最底辺の暮らしはみるみる向上した。
「あまり目立つことはするなよ」
「わかってるって!」
ダンの作った偵察機を経由して、城壁の上に設置された定点監視カメラにアクセスルートを確立したアイシャは、慎重にハッキングを進めていく。
「メインコンピューターには手を出すな。データ触る程度なら末端端末で十分だ」
ダンの指示に従い、アイシャは末端端末のアクセス権を盗む。アクセスコードを持たないアイシャは不正アクセスの痕跡を残さない。
「BWの奴ら、まさかAWから搾取されてるとは思ってないわよね」
アイシャは食料プラントの廃棄ロットに変更をかけながら楽しそうに笑う。
これにより食べられる食材が大量にAWへ捨てられる。
アイシャとダンのこの作戦のおかげで、アングラの食料事情はかなり潤っていた。
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