アメージンググレイス

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アメージンググレイス

その時、突然ラジオのチューニングを合わせたようにモニターから音が流れ出した。 「今の何?」 アイシャはモニターを振り返って短く叫んだ。 「公営放送の電波を拾ったな」 ダンはキーボードを叩いて偵察機の位置を合わせる。 スピーカーから女性ボーカルの声が流れてきた。 「なんて曲?」 「アメージンググレースだ」 「きれいね」 「ああ、名曲だ」 「ねぇ、偵察機にメモリーは積んでる?」 「画像は無理だが音声データくらいなら保存できる。気に入ったのか?」 「うん。録音してくる」 アイシャはモニターに手を添えて、意識を偵察機に飛ばす。
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