万魔伝(ばんまでん)

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「……行こう」 龍見を先頭に俺達は旭川CROSS支部を後にした。 【希崎 美月】 隆弘が目を覚ます事は二度となかった。そんな事は知っている……でも、私はその場から離れる事は出来なかった。 異形の十六夜は今もその絶大な力で、他の十六夜を葬っている。そんな中、伊邪那岐を撃ち込まれていないだろう十六夜が近づいてきた。 隆弘が守ってくれた命……無駄には出来ない……私はクロスレールを握り締め立ち上がった。 すぐさま、頭部、首と撃ち抜き、私は決断する。空中で翼を羽ばたかせ、地上を我が物顔のように蠢くこの十六夜達を生きて殲滅する事を。
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