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1.二人の男
~橘一花~
カーテンの隙間から明るい日差しがまだつむったままの目の上に差し込み、意識が一気に覚醒する。
うっ…まぶしい。
徐々に目を見開いたわたしは、その見慣れない天井が映像として眼球に刻まれ、状況を把握した。
あ…そうだった…。
やっちゃったんだった…。
何も身に着けていない右腕に人肌のぬくもりを感じ、昨夜のフラッシュバックが脳裏に再生されはじめ、思わずもそっと身じろぎする。
いや…ヤバイでしょ…
まずいでしょ…
いくらなんても大学生に手を出すなんて…
わたしがもそっと動いたことで右腕の横で横たわるその大学生ももそっと動き、わたしのほうへ右腕を包み混むようにまわしながらこちらを向き、けだるそうに目を開いた。
うわっ…やば…。
朝から色気バリバリだし…
そのふぁさふぁさのまつげ…に、明るく染めた金髪が少し寝ぐせっぽく跳ねてるとこがまたかわいいし…。
色白のくせに、腹筋バキバキとかそれもかなりやばいし…。
って関心してる場合じゃないって…。
「一花さん。おはよ。」
ふっと笑顔でけだる気にいうイケメンのおはようの破壊力半端ない…。
ってだから…。
「おはよ。」
「ねぇ。」
大学生がギュって抱き寄せ、その長い足まで絡めてきたので、あわてて制する。
「ストップ。」
キスしようと顔を近づけてきたので、目を閉じずにその大学生を目力いれて見つめた。
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