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あの日俺は彼女と些細な事でケンカをしていた。
険悪なまま彼女は車で仕事へ行った。そして、俺は友達に会って彼女の愚痴を言いまくってた。
そして、彼女の仕事が終わる頃にメールを送った。相変わらず内容は、あーでもない、こーでもないとくだらないやりとりだった。そのうち、彼女から返信が来なくなったけど、ケンカ中だったし何にも気にも止めなかった。
1時間くらい経って彼女の携帯から電話がかかってきたんだ。
俺はわざとめんどくさそうに出た。
「もしもし」
そしたら、
「あんたのせいだ!!」
それは、彼女の声ではなく、別の女の人の声だった。
「あんたが悪い!!」
「あんたが殺したんだ!!」
とか、もの凄い勢いで怒鳴っていた。
俺がどうしたら良いか戸惑っていると、今度は男性に代わった。
「彼女は、電車に正面から突っ込んで死んだ…。」
電話の向こうで、たぶん警官だと思われる落ち着いた男の人の声でそれを聞かされた。放心したまま電話を切ると、俺の携帯が1件のメールを受信した。
それは事故直前の彼女からのメールであった。
「なんか意地はっちゃってごめんね。」
俺は彼女のご両親からひどく避けられ、お葬式にも顔を出させてもらえなかった。
まだ彼女に…、
「俺の方こそごめん」
って返事できてない。
言いたかった。ごめんって言いたかった。
そして本当なら、今もずっと一緒にいたかったよ…。
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