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王「戦後と今とでは事情が違うんじゃ。当時は、戦争が終わったこともあって、みんなに安心感があったんじゃ。それで子供を作ろうということになった」
すず「ほんとですかそれ? 安心感だけで子供作ります?」
王「そ、そんなことワシに言われても……それに、当時は確かにみんな貧乏じゃったが、自分の周りがほとんど貧乏だったため、暗い気持ちにはならなかったと……思う……多分」
すず「『多分』って何ですか! はっきりしてください!」
王「だって乙山君がググるなって言うから……」
すず「情けないこと言わないでください! でも確かに……周りに比べて自分だけ貧乏だと、いじめの被害を受けそうですね。周りの人間にもよりますけど」
王「そうじゃろう? 実際、ワシが学生の頃、家が貧しい男子がいて、あるグループにからかわれていた。だが、その男子がとても頭がよく、そして毅然とした態度でそのグループに接していたため、いじめにはならなかったんじゃ」
すず「ちょっと話がそれましたね。それに加え、当時はどん底だったから、後は這い上がるだけでしたが、今は、これからどん底に向かっている感じ……これじゃ若者が日本に愛想をつかしても、全然おかしくありませんね」
王「同じところに立っていても、登っている最中なのか、それとも今下っているのか……それで気分が全然違う」
すず「教授、最後にうまいこと言おうとしましたね?」
王「した。でも、乙山君の反応は薄かったのう……」
※王の言っていることはテキトーなので、正論で批判するのはご遠慮下さい
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