プロローグ

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プロローグ

 むかしむかし─。  あるところに、幸せそうに暮らしている三人姉妹がいた。服装こそは平民と全く同じであったが、彼女達の放つ雰囲気─オーラは満ちゆく人々を魅了した。生まれた時代が、あの時代でなければ、どれだけ幸せだっただろうか─。 * 「…インパクトに欠けるかな。いや…話が暗すぎるかな…魔女狩りで死んだ三人姉妹のオリジナル脚本だなんて…。」  放課後の図書室で、ノートにその文字列を書き連ねる少女がいた。先程まで、サラサラと頭の中の物語を文字に書き起こしていた彼女は、シャーペンのペン先とは逆の端でトントンと額を軽く叩いた。 「凛!リンリーン!ちりんちりん!」 「あぁ…モカ。どうしたの?」 「みんなが探してたから!ちりんちりん!」 「え?…私を?なんで?」 「脚本のことで言っておきたいことがあるんだってさ。あと、ちりんちりんにツッコんでよ。」 「何?尺とか?十五分ほどだと聞いているけど。ボケに関しては、繰り返し続けると飽きが出てくるってモカも分かるでしょ?」 「えーっとうーんっと。とりあえず、来たほうが早いかも!うまく説明できないから!もう分かんない!」  快活で従順な中型犬みたいな幼馴染。彼女─猫屋敷(ねこやしき)凛はモカこと犬走(いぬばしり)モカをじっと見つめた。
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