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招待客のリストを見る。そこには今の真智子を作って来たともいうべき人達の名前が並ぶ。彼ら同士に繋がりは無いが、真智子のハレの日に一堂に会する。 それはなんだかくすぐったくも、せっかく会えるのに、ゆっくり話せないのが残念で仕方がない。 彼らはどんな気持ちで呼ばれたか気付いているだろうか?真智子の自慢の人達なんだけど。呼ばれた彼らには胸を張っててもらいたい。私の自慢の友達なんだから。 ある友人の顔が頭に浮かび、大吾さんのリストに目をやる。あの子は狙って来るだろうなと、真智子はそんな友人の本気な姿を想像して笑う。いいご縁があるといいんだけど。 本当は真智子も同席して、みんなを紹介し合いたい。でもその日はそんなことは出来ないだろう。 結婚式会場の人から、卓上の名前札にメッセージを書くことが出来ると言われた。 そうだ。と真智子は思いつく。 面識の無い隣同士になる席は、隣の人の紹介文でも書いておこう。恥ずかしい話のひとつでも書いておけば、場が和むかな?やり過ぎないようにしないと。と真智子は文面を考えることにした。
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