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和装での神前式に入れたひとつの余興。 書道家と結婚するのだから、これくらいは許されるだろう。 一枚の紙にはすでに文言が記されていた。 そこに二人は署名を行うのだ。 どうやら汚れたら買い取る約束で、無理やり大吾がこの余興を入れたらしい。 まずは大吾が筆を取り、自分の名前を署名した。 次に真智子が筆を取り、大吾の名前の隣に並べて、自分の名前を署名する。 森大吾 小野寺真智子 二つの名前が横に並ぶ。 千年色褪せないという墨で、二人は共に生きていくことを誓った。 〜Fin〜
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