天 涯 の 花

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 肺結核を患って一年…  離れに住まうようになり   「加減はどうや?」   「大事ない」   「もう休むか?」   「ああ、おやすみ」  この四言(よこと)だけが  一日の会話となった  二十歳の眞島忠晴(まじまただはる)が  (よし)と出逢ったのは  日本敗戦の囁きが  何処からともなく聞こえる  昭和十九年の初秋。  村では見たことのない  体格の良い娘達が  川辺りではしゃいでいた。  中でも一際大柄の嘉の笑顔は、  久々に浴びた太陽のように            暖かった…。  
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