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そんな忠晴の様子に
いち早く気づいたのは久里。
初めは
(間違いがあっては…)
慌ててしまったが、
冷静になると
“ただ生きている”
そんな息子が不憫で不憫で
考え倦ねた末に
「嘉を、忠晴の下女として
引き取るのは如何でしょうか?」
夫に頼んだ。
下女…即ちは
先行き短い忠晴の“慰み者”の
意を含んでもいたのである。
しかも忠晴は病い持ち、
下手をすると嘉も…。
「妾奉公みたいな話っ!!
馬鹿にしてっ!」
「隣村には後添えにと
言ってくれる方も
おるんじゃ。こんな話は…」
激怒して断わるという
小屋主夫婦を前に
「私はお使えしたいです!」
嘉は素直に喜んだ。
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