天 涯 の 花

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 天涯孤独を絵に描いたような  “見世物小屋”の  “見世物”だった嘉が、  眞島忠晴に逢ったのは  巡業できた紀州の山村。  青空の下、一本伸びた  若木は儚く、脆く…  でも、眩し気な瞳で  こちらを眺める姿は  今までに嘉が会った  どの人間よりも  清涼たるものだった。  
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