天涯の花

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柿も黄金(こがね)に実を照らす 眞島の家に近づくと 「あれ?…祝いの紋入り幕が…」 門と土塀の紋幕が続いた。 敷地へ入り、車寄せに停まると、 久里と鈴子が立っていて 車の扉が開くやいなや、 「早くお支度しなくっちゃ!」 鈴子が嘉の手を引いた。 「あの、あの…あの    快気祝いの膳の支度なら  すぐに裏に廻り…」 困惑の嘉に 「何を仰るの、ふふ  嫁様自ら膳の支度など」 「え?!よめ?」 鈴子が笑い、久里が背を抱いて 控えの間にゆくと 「 ! ! 」 見事な花嫁衣装が 嘉を待っていた。
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