天涯の花
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気遣う両親や弟を見るのも、 “怖いもの”でも見るような 雇人の視線を感ずるのも嫌で、 籠の鳥のように じっと過ごすことが忠晴の毎日。 けれども、生き物なのだ、 春の陽射しや蝉の声 落ち葉の香りや雪化粧だって 思う存分感じたい日だってある。 だから人がいないような時を 見計らって、たまに散歩。 それらの日々のあのときに、 嘉達を見かけたのであった。
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