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「喧嘩はしてない」
『良かったー!それならいいんだ、安心した。気を付けて帰ってこいよ。じゃあな』
別れ話はしたけど嘘じゃない。
これからどうなるか分からないけど。
「そ、そろそろ行くね。これ、見せてくれてありがとう」
お礼言いながら返すのも変だと思ったけど、悟の顔を見ないように返した。いや、正しくは押し付けた。
「待って!何回もごめん」
三度目の制止は腕を掴まれた。
「理沙、俺達ってこれで終わり?可能なら一からやり直させてほしい。今度は絶対に嫌な思いなんてさせないから。少しでも別れたくないって思ってくれてたら連絡して」
「勘違いしてあんなこと言ったのに、私のこと嫌いになってないの?」
悟は優しすぎるよ。
「うん。ならない。あんなこと言わせちゃったのも俺が原因だし。実家でもどこにいても、会いたいって言ってくれたらすぐ行く」
「本当?だったら明日、指輪と薔薇の花束を持って実家までプロポーズしに来てよ」
めちゃくちゃなことを言ってるのは自分でも分かってる。これで悟も冷静になってほしい。私も頭を冷やすから。
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