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「悟、シャワー浴びちゃいなよ。あとは私が用意しておくから」
外は大雨。駐車場からアパートの屋根がある場所まで短距離だというのに、私のせいで悟はびしょ濡れになっていた。
一本しかない傘で私と荷物を守ってくれて、自分は傘からはみ出していたのだった。
「そうする。理沙は濡れてない?」
「平気。拭くもの持ってくるから、少しだけここで待ってて」
玄関先までタオルを持ってきたら、濡れた黒髪をかきあげながら「ありがとう」と言って微笑んでくれて。
何回も見たことがあるというのに、その笑顔を向けられる度にキュンとする。
悟が大好き。優しくて自慢の彼氏。
悟がシャワーを浴びてる間に夕飯の準備をしようと思い、キッチンの吊り戸棚に手を伸ばす。夕飯は悟のリクエストでもんじゃ焼き。
背伸びしてホットプレートを取り出すと、コンセントに引っ掛かってしまったようで何かが落ちてきた。
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