プレゼントの行方

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ドアを開けようとしたら、身を乗り出してきた悟の手によって制止された。今さら慌てたって遅いよ。 「ちょ、ちょっと待って!せめて理由だけでも教えてほしいんだけど」 「さっきからバカにしてる?指輪あげた人とどうぞお幸せに」 虚しくなるから言わないつもりだったのに。こんなこと言わせないで。 「え?指輪って」 「あぁ、もしかして指輪じゃなかった?だとしてもブランド品を贈った人と幸せに過ごして下さい。これ返すから私のも返して」 キーケースから一本の鍵を取り出して、固まっている悟に無理やり握らせた。 「……理沙、もしかして知ってたの?」 「うん。勝手に見てごめんね。でも、あんなところに隠した悟が悪いよ。隠すなら私に絶対見られない場所じゃないとダメでしょ。鍵返してくれないなら、あとでポストに入れておいて下さい。ここまで送ってくれてありがとうございました」 これで悟と話すのも最後なのかと思ったら、タメ口と敬語混じりの変な言い方になっていた。
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