プレゼントの行方

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「トランクに入ってる荷物は自分で取るね。じゃあ、さよなら。お元気で」 「ちょ、ちょっと待って!降りる前に目の前のダッシュボード開けてほしい。理沙の思ってるようなこと本当にしてないから」 数分前と同じように制止してきた。 その言い方だとそこに入ってるのは多分…… 「私の勘違いってこと?」 「そう。理沙の目で確認してくれない?」 少し考えたあとに無言で開けると思っていた通りの物が入っていた。ホットプレートを取った時に一緒に落ちてきた、有名ブランド店の小さいショッパー。 「車に移動させてたんだ。ここなら私は開けないもんね。これ、指輪であってる?」 「うん。理沙の誕生日にあげる予定だった婚約指輪」 そんなこと言われても信用出来ないよ。だって、今日までずっとくれなかったんだから。 「会社の先輩にプロポーズするって話したら、婚約指輪も一緒に買いにいくべきだって言われて渡せなくなった。一生物なのに好みじゃないの貰っても困るって。それで急遽ネックレスを買ったんだ」 ハンドルにもたれ掛かり、項垂れながら理由を話し出した。
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