プレゼントの行方

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「俺が不甲斐ないせいで嫌な思いさせてごめん」 「これが私への贈り物っていう証拠は?」 こんなこと聞きたくないけど、気になるから質問した。 「ない。刻印は結婚指輪にしようと思ってたから。強いて言うなら理沙好みの物を選んだってことぐらい。証拠にならないかもしれないけど、嫌じゃなかったら開けてみてよ」 反応に困った。だって悟が嘘をついてるようには見えなかったから。 言ってることが本当だったとしても、さっき別れ話を切り出したばかり。疑ったのは事実だし、何事もなかったかのように過ごせるわけがない。 「でも……」 「心配しないでいいよ。開けたからって無理に受け取ってもらおうだなんて思ってない」 本来なら幸せいっぱいのウキウキで開けるべきもの。クリスマスまでに渡してくれたならきっとそうしてた。 「可愛い」 何も言わないつもりだったのに、実物を見たらポツリとこぼれ落ちた。悟はいつも私好みの物をくれる。ガッカリしたことなんて今までなかったよ。 「そっか。それなら良かった」 良かったの?気まずい空気は変わらないし、どうするのが正解なのか分からないままなのに。
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