プレゼントの行方

2/18
22人が本棚に入れています
本棚に追加
/18ページ
床に落ちていたのは、有名ブランド店の小さなショッパー。 持っていたホットプレートをシンク横に置いて中を確認すると、綺麗にラッピングされた箱が入っていた。 「何これ? 何でこんなところに……」 手のひらに乗せて眺めてみる。 もうすぐ誕生日だし、私へのプレゼントだったりするのかな。いつも事前に聞いてくるのに今年はサプライズなんだ。 あれ?ちょっと待って。 次の瞬間、今までにないぐらい胸が高鳴った。 こ、こ、これってもしかして、もしかしたりする!? シャワーの音が聞こえなくなったので、元にあった場所に慌てて戻した。緩みそうになる顔を必死に隠し、何事もなかったかのように野菜を切り始める。 「今さらだけど、ホットプレート俺が取ってあげれば良かったよね。大丈夫だった?」 悟はいつもと様子が変わらないし、私がアレを見たとは全く思っていないみたい。 まぁ、落ちてくるなんて思わないもんね。 「うん。背伸びしたら届いたから大丈夫」 悟のアパートに泊まりに来て、夕飯の準備をしていただけ。私は何も見ていません!
/18ページ

最初のコメントを投稿しよう!