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ずっと下を向いていたから景色は見えなかったけど、車がバックした後に停まったからコインパーキングに着いたのが分かった。
いつもより大きく聞こえるエンジン音。
暖かい車内は好きだったのに、今はとっても気まずい。
「確認なんだけど、体調は大丈夫なんだよね?どうして急に実家に行こうと思ったの?それに……俺からの連絡は無視してたってことであってる?」
悟がこんなに質問してくるのは珍しい。
何でそんな声してるの?泣きたいのは私だよ。
「かなり体調悪いのかって心配したんだけど、そうじゃないなら良かった」
何も答えなかった私をよそに悟が話を続ける。
「最近様子がおかしいなって思う時があったけど、それって俺のせい?俺、理沙の気に障るようなこと何かした?」
その言葉が心に突き刺さった。
「何それ。もう悟とは付き合えないから別れよう?今までありがとう」
しばらく距離を置こうと思ってたけど、口から出たのはこの言葉。楽しくもないのに笑えてくる。
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