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 たった2秒の沈黙がとても長く感じられたが、どうにか平然と微笑んだまま答える。 「恋愛観、ですか…。改めて言葉にするのは難しいですね。でも俺は…愛されたい、かな。愛されたいし、その何十倍も何百倍も愛したい。見返りを求めちゃうんです、俺。相手と対等でいたい。どちらかに想いの大きさが偏ったら、もう一緒にはいれないと思うんです。何より互いが大事で、1番で、唯一で、世界が二人だけみたいな。…なんて、ちょっとクサイですかね?」  あはは、と少し照れくさくなって頬が軽く熱を持つのがわかる。  焦ると本音が出てしまう。昔からの癖だ。 「いえ…いいえ、素敵だと思います。レイジさんはどこか妖艶な雰囲気を纏っているので、正直に言うと意外でした…。ですが、その恋愛観が来月から始まる月9ドラマである「桜田と足立」にも感じる部分が多い気がします。実は私も購読済みなのですが…より、レイジさん演じる桜田に対する期待が高まりました。とても楽しみです」 「ありがとうございます」 「レイジさんの新たな発見が出来たところで、本日のニュースを……」  顔面に貼り付けた微笑の仮面の下で、本音をさらした動揺を必死で隠していたため、アナウンサーのその後の言葉はすべて右から左に流れていった。
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