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 去年4月に放送がスタートした月9ドラマ『足立と桜田』は、小沢監督作品というだけでなくキャストには人気沸騰中の俺や、天才子役から一度名を落としたがあるドラマをきっかけに人気がうなぎ登りし天才女優と呼ばれるようになった本庄麻耶、人気俳優の志田将暉、その他実力派俳優が多く出演した。  主題歌は宇多ヒカルの提供曲であるDestinyを俺もデュエットで歌唱し、サウンドトラックの作曲者には『Mのために』などの話題作を手がけた縦山克樹が抜擢された。  かけられるもの全てに一流が抜擢されており、文字通り全てに力が入った、絶対にヒットさせるという大人の大きな力が動いたヒットするべくしてヒットした作品だ。  ちなみに、ずらりと並んだ一流達を差し置いて主演として抜擢されたと聞いたときには思わず遼に尻餅をつかせてしまうほどの大声を上げてしまったが、ネームバリューにパンチが欲しいという所謂宣伝塔の役割と聞いてあまり納得できないままあれよあれよと言うままに撮影、放送、ヒット!  ついに映画化まで決定してしまった。  嶺二は演技経験が無かったけれど、遼の用意したマンツーマン演技レッスンのコーチは弱小事務所では絶対にお目にかかれない、ぺーぺーですら名を知っている超有名コーチだった。  身体を操るといった根本的な所ではダンスも演技も同じだからか、コーチの指導もあり短期間集中でメキメキと上達しなんとか他の俳優に引けを取らない演技を出来るようになった。  おかげで所詮アイドルと叩いていたネット民が手のひらを返し絶賛、それもまた話題になった。
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