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「っ」
考え出すとどんどん自分の都合のいいように思考が転がって
期待するのはやめろと、心の中で自分がそれを止めようとする。
そんなわけないって分かってるのだ。
でもくるみちゃん達がそそのかすから、胸の奥に芽生えた“もしかして”をなかなか摘み取ることができない。
ああもうせっかく諦めようとしてたのに。
考え出すと堪らなくなって、なんだかもうじっとしていられなかった。
ふと時計を見ると、時刻は20時過ぎ。
仕事はきっと終わっているはずだ。
瀬戸さんは今頃どう過ごしているんだろう。
佐久間さんに明日の誕生日まで一緒にいたいと誘われていた。
その誘いにのって、今も2人でいるんだろうか。
自分でけしかけたくせに
なんだか猛烈に胸がもやついて、私はソファの上で膝を引き寄せるとそこに顔を埋める。
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