51人が本棚に入れています
本棚に追加
そこからはマーガレットと計画を細かく詰めていく作業に移行した。特殊なカメラで彼女を全方位撮影し、様々な声音の音声サンプルを採取した。「清純なイメージを与えたい」という要望から服装やメイクも決めていく。
「会議は十時からよ。十八時には秘書にチップを返さなきゃならないけれど、時間はどれくらい必要なんですの?」
「アイザックさんの夢の内容にもよりますが、三時間もあれば十分でしょう。」
「そんなに早く出来るの?本当に信じられないわ、人の夢に介入できるなんて。ドリーゼを何本打っても耐えられない負荷のように思いますけど」
「ご心配なく。ここは夢のオーダーメイド、夢屋ですから」
そう言って微笑むノアはさながら芸術作品のような美しさだった。他の男を射止める為の打ち合わせなのに、思わず心を奪われそうになる。
しかし何故だろう、その美しさはどこか冷んやりとしていて、深入りすれば後には戻れない気がした。
最初のコメントを投稿しよう!