故郷に着くまでの間

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故郷に着くまでの間

ーー15分後ーー ・・・なんかただ寝そべってても暇だな...それまで少しだけ質問とかしてみるかな 暁「あのー、一々脳内で語るのも面倒なので声に出して喋ってもいいですか?」 バラム《うむ、構わんぞ。》 暁「それで質問なんですが、まだはっきりしない部分があるんだけど、何で僕を息子にしたいと思ったんですか?地球には数え切れない程の人間がいたのに。」 バラム《なに、たまたま見掛けたからそうなったのだ「ふざけないで正直に言って」っと失礼、実はまだ全部は言えないのだが、御主には他の者にはないものを持っておってな、それで御主に決めたのだ。》 バラムはそう語った。 ・・・他の者にはないって何のことだ?僕は普通の人間であって別に超人的な力とかないのに、その答えだとさっぱりだ。 暁「他の人にないものって何?」 バラム《それに関しては私も分からないのだが、あの時に感じたものは私達に何かしらの影響を与えると思ってな。》 ・・・僕みたいな人間が影響を与えるか、龍人?といたら何かが変わると思ってんのか、それとも只単に息子自慢として利用したいのか...その事についてはバラムの故郷に着くまでのんびりしてよう。 体全体を伸ばしながら気長に待つことにした暁は、今後について考えていた。少しだけ胸に期待を膨らませながら... ー1時間後ー バラム《起きろ、そろそろ着く頃だ》 そう言われて、暁は眠たそうにしながらも短いあくびをして、目を覚ました。 暁(また寝ちゃってたか、まあそんなにぐっすり眠れたとは思わなかったけど...そうだ!肝心な事を聞くのを忘れてた。) そう思い暁はバラムに尋ねた。 暁「ねえ、バラムの故郷に着く前に一つ聞きたいんだけど。」 バラム《何だ。》 暁「自分人間なのに来てもいいのかな?いないんでしょ?その星に人間なんて。」 それに問うとバラムは答えた。 バラム《それについては心配はない、既に策は打ってある。》 暁(もしかして事前に僕みたいな人間が来ることをその星の皆に知らせてくれた《私の血を使い、お主の血に結合したのだ。》り...「へ?」 聞いた途端上擦いた声を発した。 バラム《血が繋がっていれば私の子だと痛感できるからな。あと私の予想からすれば、もうそろそろ変わると思うぞ》 暁(なんだって?!まさか僕が眠っている時にそんなことやってたのか!?しかも変わるっていうのは...!予想が合ってれば、僕が人間から龍になるってこと!?) そう思っていると暁の体から徐々に光が放たれていく。 暁「おい!ここの部分だけ何で説明しなかったんだ、これ一番重要な部分だぞ!!」 バラム《すまぬな、違う事を考えてたら忘れていた》 暁「龍神だろ!?」 バラム《神は大変なのだ》 暁「そんなこと僕が知るかー!!」 叫んでいたら大きな光が体を包み込んでいき、少しずつ光の輝きが収まっていく。 暁?「終わったのか?え、なんだこの手と足!?てか、声まで変わってんだけど!?」 その姿は人間に近いが、人の形をした龍に変化を遂げていた。人間にはなかった尻尾や角、翼までもが生えていた。 バラム《その様子だと終わったようだな、今そっちに入るぞ》 そう言った瞬間、上から丸い穴が開いた所から、2m超えの龍が降りてきた。 暁?「ちょっと!これなに?!」 バラム「私と同じ龍人になったのだ。」 暁?「...(唖然)」 暁は何も言えなかった。 バラム「良し、ちゃんとなれたみたいだな。初めての事だったから上手くいってよかった。この機会だ!私の事をパパ、いやお父さんと呼んではくれまいか?」 急かすように言ってくるバラムだが...。 暁?「誰が呼ぶか!」 バラム「そうそうパパと...え、何故!?」 暁?「何故?それはこっちの台詞だわ!変わるなら変わるって言えよ!心の準備ってもんがあるんだよ!そういうのがあるのなら、どうして最初に言わなかった?!」 バラム「ぬ・・・だがあの時私の子供になってくれると言ったのではないか」 暁?「その時に僕が龍人に変わるって言いましたか?事前説明くらいはしてよ!」 バラム「説明は必要だったか?」 暁?「そうだよ!!」 大声を発した暁だが、その時この場全体が少しずつ揺れてきた。 暁?「なんだ?!」 バラム「見えてきたぞ、あれが惑星シルバーダだ。今から降りるぞ。」 そう言い残すとバラムの姿が消えた。 暁?「ちょい、まだ話が...!」 次の瞬間、大きな音と共に惑星の方へ降下していった。この時、暁は僅かだが後悔した。選択を間違えたのかも...と心に思った。 暁(人間) 24歳 地球に住んでいた人間。今の生活を楽しんではいるものの、なんだか満足できずいつも通り過ごしていた。次に目が覚めると、別の惑星から来た龍神のバラムに連れてこられた(誘拐された)普通の一般男性。 バラム・レイン(龍神) ???歳 暁を誘拐した張本人。本人いわく他の皆が子供がいるのを見て羨ましくなり、息子(子供)が欲しいと思い、別次元へワープして生命のある星を見つける。何かを感じたのか「この子を息子にして憧れの家族になる!皆にも自慢出来る!」といったちょっとだけ抜けてる龍神だが、真面目になると...
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